最近読んだ本と米津玄師の好きな曲を交互に紹介する
やります。
楽曲のリンクは私がiTunes使ってるのでそれで貼ってます。Youtubeとかで全部聞ける曲もあるかも。
iTunesの好きなところは「♡ラブ」のボタンです。機能としては使わないけど。
・角田光代 『愛がなんだ』
友人がこの作品の映画の話をしていて、絶対見ると決めていたが、結局原作の方を読んでしまった。
「自分は映画観るより小説読むほうが精神的障壁が少ない」ということに気付かされる。小説は合計の時間はかかるけど、映画なら確定で2時間近く拘束されるところを、数日かけてちょびちょび消化できるのが利点だろうか。(本当は小説も一気に読むべきかもしれないが、そこは何故か許されると思う。)
内容についてだが、辛く刺さる部分が多かった。
「マモちゃん」を偏愛してしまうテルコさん。好きになりすぎて社会生活もままならなくなってしまう。
片思いしてる人間は本当にどうしようもない。最初から最後まで、「どうしようもないよー!!!」とデカい声で叫んでいるような小説だった。
なんか音がすごい!!
音を聞いてほしい。楽器とかよくわからないけど、謎の音が重なりまくって美しい。
米津さんはこういう「退廃した世界」を思わせるような歌詞をよく書く気がする。世界観だけでなんかエモいもんね。
何もかも無くなってみんな死んじゃったけど、それが「優しい未来」だそうです。
・又吉直樹『劇場』
映画観て震えたので小説も読んだ。劇作家の話です。
プライドは高いけど才能もなくて努力もできない。嫉妬深い。上手く話せない。上手く生きられない。
そういう苦悩を丸ごと背負ったまま沙希ちゃんにもたれかかって生きていく。カスみたいに感じてしまうけど、こいつはこうやって生きていくしかない。
後半の青山とのやりとりと「つまんない人だな」というセリフが良かった。
歌詞が好き。
とてつもなく孤独で寂しい夜だけど、これから何でもできるような希望も感じさせる。結局「お前」「兄弟」「相棒」は何者なんだろうか。もう一人の自分だと思っていたけれど、案外普通に兄弟なのかもしれない。
「僕ら手をたたいて笑い合う 誰にも知られないまま」のところとかめっちゃ好き。夜の闇に、思い出が溶けていくイメージが完璧に表現できていると思う。
「お前がどっかに消えた朝」とかもいいなあ。簡単なフレーズなのに、物語を喚起させるのがバカ上手い。
・森見登美彦 『四畳半タイムマシンブルース』
高校物理部の親友からのラインを半年間無視してたらこの本の画像と「アニメ化したら見てくれ」というメッセージが送られてきた。
こういう作品が人間関係をつなぎ留めてくれるのはなんか嬉しい。
内容は「もし四畳半神話体系の世界にタイムマシンが出現したら?」みたいな、とりあえず面白そうなものバチコリ合わせておけば面白いやろ?みたいな主張だった。
アイマス架空戦記とかに近い。キャラがもう好きだから、何やっても面白いんだよなあ。
読むときにどうしてもアニメのキャラ絵が頭に浮かんでくるのが厄介だった。特に樋口師匠とかは化け物みたいな風体なので、どうしても人間としてイメージできない。
米津玄師的な恋愛観が色濃く出ている。
「揺れながら踊るその髪の黒が他のどれより嫋やかでした
すっと消えそうな真っ白い肌によく似合ってました」
この2行、その女性がどれだけ美しく(美しく見えている)かを表現するのに十分すぎる。
恋の中で自分だけがぬるく沈んでいく。
この曲で「あなた」は髪を揺らしてふっと笑っただけ。
それでも自分は沈んで沈んで、嵐が吹き荒れ、雷に打たれ、枯れて痛んで粉々になる。
そこまでか?って思うほどボロボロで笑うしかない。笑ってあげましょう。
・村上春樹 『一人称単数』
昔から村上春樹のファンなので、新刊が出たら買っている。短編集です。
今回はキレました。
こんなキャッチーなタイトルで綺麗な表紙に美しい女性なんて描いてたりしたら、例えば中学生が「おっなんか面白そうだな」って買ってしまうかもしれない。それで村上春樹を嫌いになってしまう。
この本は最初から最後まで、全然面白くない。村上春樹の短編なんて基本的につまらない。わけわからん雰囲気系の話か、洋楽の解説をダラダラ書いているだけ。
それでもまあ読んでもいいかと思えるアホなファンだけが読めばいいのに。罪のない一般人を巻き込むのは辞めてほしい。
本当のこと言うと、「品川猿の告白」はちょっと面白かった。マジモンの猿と旅館で語り明かす話だった。
死んでしまった友に思いを馳せながら生きていく曲。
綺麗な言葉が多くて、思わず口にしてみたくなる。
「リンドウの花」とか「月光蟲」とか「あの人の言う通り」とか。
「カムパネルラ」って名前自体も、なんか言いたくなる。なんだカンパネルラって。名前としておかしくないか。
言いたいフレーズの多さで言うとFlamingoとかの方が顕著かも。そっちを聞いてほしい。
・又吉直樹 『人間』
『劇場』がハマったので次回作も読んでみた。
今回は漫画家?みたいな人の話。小規模に売れて自分の支えになっていた作品が実は……みたいな。
後半は今までの登場人物が本当に存在するかも疑わしくなってくる。結局どこに落ち着いたのか、あんまり憶えていない。
「人間が拙い」というワンフレーズに「私も人間が拙いなあ」と無理矢理共感することはできるけど、それは最終防衛ラインみたいなもので、それだけ感じても意味ないでしょう。
「君みたいに優しくなりたいだけ」 とかのフレーズが気に入ってます。
米津さんの歌詞に登場する男は卑屈で弱くて悲観的。だから好き。
社会人なりたての研修の時に、同じグループだった名前のインパクトが強い女性が薦めてくれた本。3年越しに書店で見かけたので読んでみた。
「擬宝珠纏」くらいインパクト強い名前だった。書きたいけど検索に引っかかるとまずいので書けません。
大がかりな仕掛けがある推理小説。いわゆるどんでん返し系。
凄いのはわかるけど、ギミックが激し過ぎて若干引いてしまった。こういうのじゃないんだよな……。
朝井リョウ原作の映画『何者』の主題歌。
曲だけで好きになるは多分無理なので、映画を見てほしい。
有村架純に「拓人」って呼ばれるのがキツいので私はこの映画を評価できないけれど。
やっぱり原作を読んでほしい。朝井リョウのお家芸である「本が読者を攻撃してくる系」の小説で、原点にして頂点です。
・凪良ゆう『流浪の月』
本屋大賞!!
読む本に迷っている奴は本屋大賞受賞作を読め!絶対ハズレがない。
誘拐された経験のある女性のその後の人生についての話。
「世間から外れた人たち」の話だけど、「世間から外れた枠」の中でもメインの二人は美しすぎないか?
ここでは美しい物語にまとめ上げられているけれど、現実ではもっと滅茶滅茶な人生送ってるだろうな、と思うと悲しくなります。
小説もそうだけど、ドラマとかニュースとかコントとか見てても、ストーカーとかロリコンに共感して同情してしまう。別にストーカーでもロリコンでもないんだけど。断じて。